「最終問題の正解は、ぞうりハンバーグでした。」
「それでは全員不正解ですので、ひとし君人形は没収でーす。」
ちゃらっちゃ♪らっちゃ♪ちゃわわわわ〜☆
草野の笑顔がもの語る、いつもの楽しい時間。
しかしこの日に限り、黒柳徹子の我慢は限界であった。
賭けていたスーパーひとし君の没収がか?
まさかの野々村真に離された2ポイント差がか?
それとも、ばんどうえいじの存在自体であったのか?
いや、人が本当に不思議との接点を持ってしまうとき、
実に理由なんてものは無いに等しい。
黒柳女史は、ただ離さなかった。
その手に、むんずと掴んだスーパーひとしを。
没収穴へ沈み込む人形を。
黒柳女史が掴もうと掴まざるとに関わらず、その没収の速度は変わらない。
本当はその時気付いていたのだろう、私達も、彼女自身も。
いけない、このままではいけないと。
しかし止まらない。止められない。 止め得ないのだ。
その瞬間は来た。
黒柳女史は、ただその穴に吸い込まれていくに身を任せていたように思う。
その幸福の表情は、長い番組の中で一度も見たことのないものであったから。
※実在の人物・団体とはまったく関係ございません。ほんとに!